2006年02月21日

日の丸扇子

オリンピックなどの海外試合。

応援席でよく見るのが、日の丸扇子。
普段、あまりお扇子と接点がない方々は、お扇子の柄(模様)というと
あの、日の丸をイメージされる方も多いと思います。

我々の日本舞踊や歌舞伎で、あの日の丸柄のお扇子を使う事はまずありません。
舞台装置や衣装、持ち物全てに、自国のシンボルマークを掲げるものはありません。
何故ですか?って?

国旗を定めた時期に、もちろん関係があります。
歌舞伎舞踊作品の大半の時代背景は、江戸期以前のものだからです。合戦シーンは一杯ありますが、御存知の通り、日本は鎖国されていましたので、他国に対して自国のシンボルマークを掲げる、という必要がなかったからですね。江戸以前の時代背景の作品はどうよ?という質問もあると思いますが、作品が作られたのが江戸以降なので、その発想は作者や観客側にもなかったと思います。

さて、TVを見てたら、先日オリンピックの応援席で、大きな白の団扇(うちわ)に日の丸を描いて応援していらっしゃる方がいました。インタビューアーがマイクを向けると、
「頑張れ日本!この為に作った、日本伝統の団扇で応援してます!」
「はぁ〜。素晴らしいですね!お扇子もいいですけれど、日本文化の団扇って所がいいですね!」

???
えっ???

すいませんが、団扇は中国から来た文化です。お扇子もですけどね。日本で発明されたものではないです。
ただ、現在にまで伝わっているお扇子の型は日本独自の工夫です。中国の京劇などで御覧になられた事もありますよね、唐扇子(羽根のヤツとかです)!さあ、日本のお扇子と唐扇子どこが違うでしょうか?中国のそれは、両開きです。裏と表、どちらにでも開きます。日本のお扇子は、片側にしか開きません。なぜかって?日本のお扇子は骨に対して紙を両側から貼り付けてあるからです。何でそんな事したんですかね。他国の文化を取り入れて、独自の発展をとげさせる、日本人の工夫ってヤツだと私は考えます。一例をあげると、お扇子の柄(ガラ)で、表は「春」、裏は「秋」、なんてのがあります。お洒落ですね。まさに表と裏で、異なった二面性を表現しています。片側貼りだと、一面は骨が見えてしまいますから、絵は描けません。 踊る時は、その表現に合わせて、裏表を使い分けます。


って、真面目にうんちくを語りだすと疲れるので、この辺でやめます。

オリンピック。この時ほど、みんなが、国というものを意識して、他国と比べる時ってないんじゃないでしょうか? いい機会ですよね。

さあ、日本!残りの競技は少ないぞ。頑張れ!

Posted by yamada at 2006年02月21日 01:01
Comments

日曜日、ちょうど扇子を触る機会がありました!

スキー場から友人の車で移動中に暇だったのでグローブボックスを開けると、底には趣味の悪い扇子が!1万円の福沢諭吉が折り目ごとに顔をのぞかせている扇子、微妙なセンスです。本物で作ったら20万円相当位しそうでした。

Posted by: じじエド at 2006年02月21日 02:47
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