2007年09月07日

ミニモトを終えて3

バイクにまたがり、気合を入れてピットロードを走り出す。

40km以下で…。 速度オーバーはペナルティ!
ピットロード出口では、オフィシャルがスピードガンで俺を狙ってる。

「緊張するじゃねえか…。」

スピードメーターを信用しつつ、35km位(笑)で出口を通過。
さあ、加速加速っ!!
左後方を見て、ホームストレートを走ってくるマシンを確かめる。

ラッキーだ。 込んでない。 穏やかにコースイン。
加速していく度に、雨がヘルメットのシールドを叩く音が大きくなる。

とりあえず、数周は雨のコースに慣れようと自分に言い聞かせる。

が、ちょっとでもリアタイヤがスライドすると、その度に身体が固まる…。

情けない…。 一昨日の転倒が無かったら、今日が晴れてさえいれば。。。
何だか、「たられば」ばかり考えている俺。 

ああ、何だか走っているのがつらくなって来た。何度目かのホームストレートを通過して残り時間を確認すると、まだ、1時間10分はある。
なげ〜な〜!

早い連中は相変わらず、物凄いペースで俺をパスしていく。
「くっそ〜。 いいな〜、俺もアレくらいで走りて〜な〜。」 何だかすでに負け犬根性。

そしてある周のデグナー手前。8台の集団が抜きに来た。 おとなしくラインを外す。
そしてデグナー進入。

うおっ! 俺の前のバイクが集団に抜かれて何を思ったか急減速。

ヤバイ! よけなきゃ!! 

インに急に逃げれば転倒、アウトに逃げればコースアウト。
だめだ〜! 避けようがねえ!!!

ドンッ。 鈍い音を出して前車に追突。 前車はビックリしてさらに減速。
ドン、ドンッ!! さらに追突。

だ・め・だ・・・
マシンは左に倒れサンドブロックに、 俺は宙を飛んで同じくサンドブロックに叩きつけられた。

「うお〜っ!」 すぐ起き上がる。
マシンはどうだ? 前のヤツはどうなった?

前のライダーは、コースアウトしているものの、バイクにまたがったままサンドブロックの途中にたたずんでいる。転倒は免れたらしい。
「てめ〜、バカヤロ〜!」思わず叫びたくなった。
でも、避けきれずに追突して転倒している俺も、かなりの大バカヤローだ。

数人のオフィシャルが駆け寄ってきてくれた。
「大丈夫ですか?」 「マシン押しますね!」
何だか、凄く嬉しい。 三人がかりで押すと凄く楽だ!
押しながらマシンの状態をチェック。

おおっ。ダメージは無さそうだ!! 神様サンキュー。
身体は? 痛かったところに更に転倒しているもんだから、よくわかんねえ。
ま、大丈夫だろう。

コース脇で、キック二回。 すぐエンジンはかかった! よし。 

コースイン。  何だか、吹っ切れた。 くよくよしながら走ってたバチが当たった様な気がした。

加速してもコーナーに入っても、バイクは大丈夫そうだ。 良かった。
ピットでは皆、心配してるだろうな〜。

でも、俺はピットインしないぜ。 大丈夫だし、時間をこれ以上無駄に出来ない。ホームストレートで、サインボード係の人に軽く手を上げて挨拶しておいた。

残り1時間。 淡々と走った。 素直に走った。 コースには慣れてきたけれど、無理にペースを上げることもしなかった。 

迫る暗闇の中、ライトの明かりが心強い。 後何周だろう。 ホームストレートを過ぎるたびに考える。 何台か抜く事も出来た。

チェッカーフラッグ! やったー、完走だ〜。 長かった〜。

クールダウンの一周をしてピットに戻ると、皆さんが温かい拍手で迎えてくれた!
アンコールがないのが有難い…。

それにしても嬉しい! 
メカニックの皆さん。応援してくれた皆さん。チームメイトの皆さんのおかげです。

また来年だ。見てろよ〜。 どういうことをこれから一年練習すればいいのかも、自分なりに分かりました。 甲子園だと土を持って帰るんだろうけど、サーキットはアスファルトだから剥がして持って帰れないのが残念です。

ホントに、みんな有難う。 マシンも最後まで走ってくれて有難う。

マシンから降りると、途端に全身を痛みが襲って来ました。 痛い。 物凄く痛い。

どうする、今度の土日は、仙台で仕事だ。 踊れるのか〜?
 

minimoto02.jpg

Posted by yamada at 2007年09月07日 17:33
Comments

壮大な物語でしたね。ぜひこの感動的なシーンに立ち会いたかったです。来年はさらなる大スケールな物語を!

Posted by: 先生 at 2007年09月07日 18:35

豊橋から一時帰国中です。現地では気がつきませんですが、ハンドルかなり曲がってますね(゜o゜;)我らがZoomチームは、温泉に行って帰ってきてから、車検前に店長がこそこそブレーキレバー周りに針金巻いていたと思ったら、なんと!マスターシリンダーが割れていたんだって!最初は指で押さえて車検通すなんて言っていたそうな。ヨシムラを彷彿とさせるエピソードでした。

Posted by: じじエド at 2007年09月09日 10:22

先生さま はい。是非更にスケールUPした物語をお送りしたいですね! もっと大きな転倒をするとか、トラブルをかかえるとかじゃなく…

Posted by: タカトキ at 2007年09月12日 23:45

じじエドさま それも確かにインパクトのあるお話ですが、市バスさんのレース後のお家の前での武勇伝の方がはるかに私の心を鷲掴みにしてくれました…。 大丈夫だったんでしょうか?

Posted by: タカトキ at 2007年09月12日 23:48
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